円建て確定利回りの個人年金は今買いか
個人の保険診断で時々出会う個人年金保険。予定利率が高かったころの個人年金はいわゆる「お宝年金」と称されていますが、今回はこちらの話ではなく、史上最低の予定利率になってもなお販売されている個人年金の話です。
確定利回りとは将来に渡って必ず約束されている利回りで運用されるもので、昨今の超低金利下でそのような年金商品に加入すれば、年金をもらい終わるまでの長い期間に渡り、市場金利がどのように変動しようともずっと超低金利のまま推移するということです。
確かに表面上の年金受取金額は保険料の総支払額に比べて増えることは間違いありません。しかし、それほど跳びつくような魅力ある増え方をするような金融商品ではなく、むしろインフレリスクにもろにさらされている危険な商品です。
例えば、30歳の人が60歳まで保険料を掛け込み、10年確定年金で60歳から70歳まで年金を受け取る一般的なパターンであれば、丸40年間という長い時間、果たして物価がどのぐらい変化すると考えているのでしょうか?
東京ディズニーランドが今年35周年ということですが、開園当時のパスポート入場券は3,900円で、現在は7,400円と約2倍に値上がりしています。
このぐらい年金も増えてようやくインフレに負けない増え方と言えますが、これだけでは貨幣価値として増えたことにはならず、物価に並行し増えただけで、本来40年間運用して増えた結果とは言い難いものです。
何が言いたいかと言いますと、この超低金利下で期間の長い確定利回り、しかも円建ての金融商品は貨幣価値が下がってしまうリスクにさらされており、今加入すべきではないということです。
このようなマイナスのリスクしかない金融商品を未だ売り込む側には問題があると思いますが、それを購入する消費者側ももう少しよく考え、賢くならなければならないのではないでしょうか。あなたは本当に大丈夫ですか?
2018年11月21日